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ことばの話>文化>服飾 夏、浴衣で食事を楽しもう − 日本の食のマナー (二) − 岡安裕司 夏の楽しみのひとつは花火大会、花火大会に付き物なのが浴衣姿、 特に女性の浴衣姿はいいものである。 そして浴衣というと思い出す黒田清輝の有名な絵画がある。 http://www.tobunken.go.jp/kuroda/gallery/images/kohan20_l.jpg <ページが期限切れになることがあるので予備にもう二つ> http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1990/bg60.html http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=16904 この、日本で最も美しい女性の肖像画といわれる「湖畔」のモデルの婦人 (のちの黒田清輝夫人)は浴衣の下に下着一枚身に付けていないのだそうだ。 素肌の上に浴衣一枚纏うのが最も粋(いき)な浴衣の着こなしと言われる。 衣一枚の下は素っ裸、なのにこの婦人の姿には少しもいやらしさはなく 上品に涼しげに着こなしている。 浴衣は薄いのでだらしなくならないようにそして涼しげに着るのが 着こなしのポイントだ。着ている自分がなるべく涼しくというのも大事だが、 見た目に涼しく着ることがとても大切なのだ。それにはまず暑苦しい色や柄は 避けるべきである。 女性の着物姿が美しい理由のひとつは、裾が細く(すぼまって)見えるからだ。 大股で闊歩すると、裾が広がってしまい台無しになってしまう。 裾が広がらない程度の歩幅を心掛けたい(男性は気にせず闊歩すべし)。 さて、外で花火を見物している間はあまり動くこともないから楽であるが、 そのあと食事を、なんていうことになるとちょっと困ってしまうという人も 多いのではないだろうか。 確かに着慣れない着物で食事はしずらいものがある。 でもちょっとした工夫でかなり楽になるのだ。 「あたし急に最近、ずっと単衣(ひとえ)の着物ばかり着なけりゃならないんで ・・」 と、ここから着物初心者とベテランの会話となる 「慣れなくて困ってるんです。特に食事の時が」 「そうね、テーブルで食事する時はまず椅子を少し引くか浅く腰掛けるかして テーブルとの距離を近くすると着物を汚すリスクを減らせるのよ。 それに食事に限らず浅く掛けるとね、帯が椅子の背中で崩れる心配もなくなるの。 「ついでに椅子やベンチなんかに腰掛ける時は脚を引かずに少し前に出して座ると 形が美しく見えるのよ。女は脚を揃えて、もちろん斜めにしてもOKよ」 「ふ〜ん、そうなんだ」 「それから、食事の時はちょいと前屈みにすると膝の上にものがこぼれにくくて いいのよ。でもあたしたちは前屈みがいつものスタイルだから そのままでいいかしら。ただ、あんまり屈むと犬の食事みたいになっちゃうから 気を付けないとね」 「ええ、器を持って食べるのが和食の基本でしょ」 「そうよ、どうしても小皿がない時なんかは懐紙を小皿代わりにね。普段は ティッシュでいいんだけど着物の時は懐紙を使えばぐ〜んと差を付けられてよ。 ちょいと懐紙に乗せてなにか取ってあげてごらんなさい、たいてい男はイチコロよ。 もうクラ〜、フラフラ〜・・」 「でもさあ、遠くにあるものを取ったりする時、袖が邪魔になるのが困るのよ」 「そういう時は片方の手で袖を押さえれば、あまりにょっきり 腕が出ないように・・」 「それはわかるんだけどさ、重たいもんは片手じゃ持てないわ。 飲み物を注ぐ時とか」 「そういう時は両方の袖の端を帯の間に、上からよ、挟めばいいのよ。 そうすりゃ両手が自由になるでしょ。これ、手を洗うときなんかにも役立つわよ」 「なあるほどー、さすがベテラン! あたしたち着替えがないんですもの。 あっちこっち食べこぼし付けて「うらめしや〜」 なんて言ってもかっこつかないですもんね。とっても参考になったわ」 三日前に幽霊を始めた初心者は礼を言って墓場に帰っていった。 あとがき というわけで後半はショートショート仕立てでした。多少なりと 参考になればうれしいです。 ところで湖畔のモデルの婦人は私の母と姪(めい)に半分づつ似ています。姪は ほかに松坂大輔によく似ています。それであだ名を大輔といいます。 ====================================== ことばのコラム No.1 「浴衣の語源」 ユカタ・・・なにも知らずに音だけ聞けばなんとも意味不明なことばです。 元々は「ユカタビラ」と言いました。「湯帷子」と書きます。 「入浴時に着る帷子(かたびら=単衣の着物)」という意味で、平安時代に 貴族が蒸し風呂に入る時、水蒸気でやけどしないように着たのが始まりとか。 また当時はお風呂に入る時でも裸になってはいけなかったようです。 のちに湯上りに肌の水分を吸い取るために(つまりバスローブとして) 着るようにもなりました。 裸で入浴するようになったのは江戸時代のことで、さらに湯帷子を入浴時以外にも 着るようになり、省略してゆかたと呼ぶようになり、 当て字で浴衣と書くようになったということです。 因みに江戸時代の銭湯も蒸し風呂だったと聞いています。 ====================================== <2007 7/15発行> |
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